シルバー観察日記

(Stalking Silverの続き)
「なあ、まだなのか?」
レッドが、なぜかカメラを持って熱心にとある家を見ているブルーとイエローに声をかけた。
「あったりまえじゃない。っていうか、いいのはここからよ」
「黙ってください、レッドさん。ウザいです」
「あ、あのなぁ……」
ウザいといわれ、ショックというよりはあきれた感じのレッドに、グリーンが言った。
「諦めろ。こうなったらこいつらはもう、テコでも動かん」
「ほんっと、物好きだよなぁ」
ブルーが何かをメモしながらレッドに言った。
「うるさいわね。今まで異性にも同性にも興味を示さなかったシルバーが、自分から他人をストーキングしてるのよ? ようやくシルバーも人並みの恋心を抱いたようね」
「恋心、って、ゴールドは男……」
レッドをイエローがさえぎる。
「そうですよ。そっとシルバーさんの初恋を見守ってあげましょうよ」
「見守るって、思いっきり監視してんじゃ……」
「ああ、そしてゴールドもそのうちシルバーの心に気づくのよ。そしてそのあとは……」
「同性との結婚を許さない日本に嫌気がさして逃亡!」
「そして未開の無人島で恐竜たちと一緒にアツアツの新婚生活を繰り広げるのよ!」
「いつ恐竜たちに食べられるかわからないスリリングな生活」
「命の危険をともにして、二人は一層お互いの大切さを知るの」
「ああ、こんな愛しい人を失いたくはない!」
そんな、どこか別の世界を見つめるようなブルーとイエローに、レッドは大きくため息をつく。
「あのなぁお前ら。脳みそ腐ってるだろ?」
すると、レッドは背後に殺気を感じて振り向いた。
グリーンが、暗い顔で笑顔を浮かべていた。
「レッド。俺のブルーの脳みそが、なんだって?」
「ちょ、怖っ! っていうか、お前今、サラッと『俺の』とか言わなかったか!?」
「いやん。グリーンのエッチ☆」
ブルーがほっぺたに手を当て、体をくねくねと動かす。
「キモッ! いや、あの、グリーン。こんなブルーはやめとけ。後で絶対後悔する」
「なぜだ?」
「こいつらはな、危険なんだ。俺とグリーンとをくっつけちゃうような、そんな危険な人種なんだぞ!」
「? なんでそれが危険なんだ? たまにくっついているじゃないか」
くっついたことを示すように、グリーンはポンとレッドの肩に手を置いた。
「ちょ、今の爆弾発言だって気づいてる!?」
「?」
まったくわかっていない様子のグリーンに、レッドは説明する気力も失せた。
そんな二人の前で、フラッシュが焚かれる。
「スクープ☆ ついに二人は事実を認めた!?」
きゃあきゃあ言う女子二人の前で……
レッドは家に帰してくださいと、切実に願った。



ギャグの場合、グリーンはボケ。
レッドはツッコミ。
これ鉄則。(嘘です;)